謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年は乙巳(きのとみ)の年にあたります。「乙」は未だ発展途上の状態を表し、「巳」は植物が最大限まで成長した状態を意味するとされています。
みらいへの発展の可能性を秘めた鴨川市が、大きく成長する年になることを願っています。
さて、本年は鴨川市の今後の流れを決定づける大きな選択の年でもあります。
「経済再生の実現」
「守る命・生活・つなぐ未来」
「市民のために変わる市役所」
この三つの重点政策を公約の柱として、「地方創生の波に乗り遅れないよう、鴨川市の根幹ともいえる第一次産業を守り、発展させることを中心に考え、強固な行政基盤を構築する」ことを宣言させていただきました。
本号では、重点施策の一つとして掲げた「経済再生の実現」について、多くの方々との話し合いをもとに、具体的に論じます。
鴨川市の農業振興について
現在、日本全体で人口が減少する中、農業分野では高齢化が進み、衰退が続いています。このような状況の中で、鴨川市の農業振興をテーマにした「鴨川市中山間地域等活性化協議会」主催の勉強会に出席してまいりました。
講師は「農林水産省 関東農政局 地方参事官 浦杉敬助氏」でした。浦杉氏は農林水産省からアフリカ・タンザニアに6年間派遣され、水路の建設や地元住民との協力を通じて農業を振興させた実績を持つ実務派で、鴨川市の農業振興にも強い関心を寄せてくださいました。
講師とのやり取り
講義開始前の短い時間でしたが「鴨川みらい宣言」に掲げる「国と市民が直結した課題解決システム」がなければ、農業振興の実現は難しく、時間が限られていることをお伝えしました。
これに対し浦杉氏からは「情報共有を進め、鴨川市を農業再生の国のモデルとすべき」という力強いお言葉をいただきました。
実現すれば、中山間地域の活性化だけでなく、平地の農業やその周囲の環境との相乗効果により、鴨川市の基盤が強化され、さらなる魅力向上につながります。
これにより、移住希望者の増加やインバウンド効果も期待でき、さまざまな目的で人々が訪れるまちづくりが進むと考えます。
講習会の内容
ここで、講習会「鴨川の中山間地を守るためにすべき事」の内容を簡単にご紹介します。
● 鴨川市には中山間地域で活動している集落が24か所あり、それぞれの地域が個性を生かしながら活発に活動しています。
そして、中山間地域を守るためには、各集落がノウハウを共有し、全体で協力することが重要であるとの認識の下、講習会には約100名が参加し、多くの積極的な質問が寄せられ、集落活動への熱意と力強さを感じる場面が多くありました。
● 24の集落が協力して目標を設定し、地域の体制を強化することが重要であると説明されました。
特に、事務作業の負担を軽減するために、新たな交付金を活用し「労働者協同組合」などの設立が提案されました。
強くしなやかな農業を築くためには、現場と国が直接連携し、一体となって法律の解釈を共有することが不可欠です。
その中で、市の行政は調整役として積極的に取り組み、実行する役割を果たす必要があります。
鴨川市が国のモデル地域となることを目指し、この取り組みを進めることの重要性を改めて強く感じました。
● その他、ドローンを利用した圃場の管理、無人草刈り等、IT・機械の利用による効率化があげられております
地方政治と現場の課題解決
地方政治に関わる中で、国の法律が現場に適用される際、細かな法規制が障壁となり、本来の目的が果たせない状況が多く見受けられます。まさに「木を見て森を見ず」のような事態です。
鴨川市が持つ資源である農業、漁業、観光、商業、医療、福祉、教育、スポーツなど、それぞれの分野で問題点を把握・分析し、県や国に訴えかけることが必要です。
また、共通の認識を持ち、法律が適切に施行される体制を作ることが重要です。
特に、国力の基盤である第一次産業については、これ以上待ったなしの状況であり、国と地方が一体となって取り組むことが不可欠です。