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対談 新しい観光の魅力を創る -四季折々の魅力 世界に向けたプロモーション-

久根崎達郎さん 魚眠庵マルキ本館 代表取締役館主

Q 久根崎さんは鴨川の観光をリードされてきました。また、現在二つの宿泊施設を経営していらっしゃいます。これまでの経緯などお聞きできれば。

A 30代で宿を引き継ぎ、何とか一人前になることを目指していました。その後、アクアラインの開通がきっかけで、経営はある程度安定しましたが、マルキ本館からは海が見えなかったこともあり、「海の見える旅館を持ちたい」という新たな夢も芽生えました。
そして数年前、学校跡地を活用する機会をいただき、新たに「璃庵」をオープンすることができました。

Q アクアラインの開通によってお客様に変化はありましたか。

A 自家用車で訪れるお客様は確実に増加していると感じています。 一方で、大型バスを利用した団体旅行は減少傾向にあります。こうした背景もあり、「璃庵」はプライベート感を重視したコンセプトで運営しています。
全体的な傾向として、団体旅行から少人数のグループ旅行へ、さらに家族などのプライベート旅行へとシフトしていると思います。
以前は、一つか二つ優れた特徴があれば、ある程度の集客が可能だったように思います。しかし現在では、口コミの影響も大きく、優れた要素に加えてすべての面で一定のクオリティを維持することが求められています。
私たちは魚屋から始まった経緯もあり、「魚料理」で他とは違う魅力を打ち出しています。

Q 久根崎さんは観光協会の会長としてもご活躍ですが、鴨川市全体の観光の変化などはどう見られていますか。

A 鴨川市の観光まちづくりは、まさに私たちの役割です。観光地には温泉が必要だという思いから、鴨川温泉旅館業協同組合を立ち上げ、鴨川温泉の普及にも力を注いできました。
入湯税の収益についても、鴨川観光のさらなる発展や、新たな観光資源・魅力の創出につながる仕組みにしなければならないと考えていました。
現在は鴨川シーワールドなどの存在が観光客を引き寄せていますが、鴨川の観光をさらに発展させるためには、四季折々の魅力を感じられる通年型の観光資源が必要だと考えています。一つでも二つでも、そのような新たな魅力を創り出したいと願っています。

Q インバウンドについてはいかがでしょうか。

A インバウンドに関しては、鴨川はまだ弱いと感じています。海外からの旅行客にとって「行ってみたい」と思わせるような強いイメージが不足しているのではないでしょうか。
少し夢のような話になりますが、鴨川全体を海やシーワールドをテーマに統一し、訪れる人の心に残るような取り組みを進めるのも面白いかもしれません。

時代の変化に対応した観光地としての魅力

 団体旅行から少人数のグループ旅行へ、さらに家族などのプライベート旅行へとシフトしていく中で、変化に対応した観光地の魅力づくりは重要な視点です。
 そして、その魅力を継続的に創造できる仕組みが、それを支える基盤になるという考え方に強く刺激を受けました。
 これは観光だけでなく、まちづくり全体にも通じる普遍的な概念であり、財源も含めた仕組みの構築が重要です。
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