久保尚之さん 元テレビプロデューサー 前鴨川市政策参与
Q 久保さんは東京でテレビマンとして活躍されていましたが、鴨川に移住したきっかけは何ですか。
A 大学卒業後、テレビ業界に入り、主にドキュメンタリー系の番組づくりに携わってきました。おかげさまで世界の色んなところに取材に行く機会がありました。
気づいたのは、日本と違って、世界では、アフリカや東南アジアなど、人口が増えているということ。そこから、食料問題に目が向くようになりました。食べるくらいは自分で作りたいと思って、野菜を作るための情報を集めていたのですが、ちょうど鴨川で帰農者セミナーがあるのを知り、それに参加したのがきっかけです。
その後、鴨川市長からお声かけいただき、政策アドバイザーを経て、2024年4月から11月まで政策参与として活動しました。
Q 政策参与として、どんなお仕事をされていたのでしょうか。
A 政策参与として市長から「PRを頑張ってほしい」と言われ、市役所広報の動画でのPRや、テレビの情報番組に出演して鴨川市をPRしてきました。
鴨川には、大山千枚田や里山の風景、サーフィンに最適な海、みかん狩りやいちご狩りなどもできる観光に最高なロケーションがいっぱいあります。私から見ると、もっともっとメディアに取り上げてほしいと思っています。
参与としての仕事の中でも、一番やりたかったのはフイルムコミッションを作るということでした。
Q フィルムコミッションとはどういったものなのですか。
A 一言で言えば、映画やテレビドラマ、CMなどの撮影が円滑に行われるよう支援する非営利の機関です。自治体やその関連団体が中心になって組織されている例が多いですね。以前から、地域活性化策としては注目されていますね。
勝浦市や南房総市にはあるんですが、鴨川市にはありません。
鴨川市には、市役所、観光協会、プラットフォームといった大きな窓口が3つありますが、現状ではどこが窓口なのかが明確でなく、たらい回しのようになることがあります。そのため、メディア側がどこに相談すれば良いのか分からず、結果的に撮影を断念してしまうケースも発生しています。
まずは、窓口を一本化することが必要だと思います。そうすることで、メディア側がどこに問い合わせをしたらよいかわかりやすくなりますね。
Q 実現へのハードルは何だと思いますか。
A 実現に向けた予算獲得にあたって、よく「効果を数字で表せないか?」と言われますが、数字にするのは難しい取り組みですが、間違いなく効果を出している自治体はあります。インバウンドで知名度を上げた地域もあります。
実際にロケが来れば、弁当などの食事、宿泊、車両、駐車場などにお金を落としてくれるだけでなく、無料でPRにも繋がり、ロケ地巡りなど観光客の増加、そして移住者の増加にもつながることになります。